しかしながら、アレグリアスやブレリアスなどアップビートのフラメンコパロはこのアーティストの得意なパロであることから(またカンティニャスやペテネラスでは見事なひねり出しをしました)、Moraのパフォーマンスはそれをより明白なものとして表現し、ショーそのものが台無しになってしまうことはありませんでした。しかし彼はより強く、強引な声へと改良を加える必要があるように思われます。また本来ステージ上で見うけられるべき落ち着きを彼はまだ十分には獲得していないようです。しかし時間と経験がアーティストを成長させ、円熟味を徐々に増していくことでしょう。
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12月11日、マドリードのタブラオLas Tablasにてわたしはバルセロナ出身の若きカンタオール(フラメンコシンガー)を聴く機会を得ました。本来フラメンコの本格派として好まれる厳粛な声質とはほど遠く、Moraは感傷的と言う以上にまだまだ若く繊細で幼さの残る声をしています。これらはおおよそ評価できるでしょうが、一方で聴衆の期待するものやムードによって評価は左右されるでしょう。