Mario Pacheco

レーベル Nuevos Medios は Pata Negra や Ketama、Ray Heredia ら現在では言わずと知れた多くのアーティストのデビューのプラットフォーム的なレーベルでした。そのレーベルを立ち上げた、音楽プロデューサーであり写真家である Mario Pacheco が長い闘病生活の後、昨日マドリードで亡くなりました、60歳でした。

Mario Pacheco はマドリード出身でマドリードの写真家協会の会長も務めていました。1970年代には Edigsa のバルセロナディスク協会に参加し、複数の異なるタイプの写真(インスタントetc)の仕事を実現し、Camaron の有名なディスク La leyenda del tiempo など手がけました。

Mario Pacheco

1982年には Nuevos Medios を設立、La Mode, Golpes Bajos y Kikí d'Akí などと契約、その後ニューフラメンコ到来の原動力となって Ray Heredia, Ketama や Pata Negra、Martirio のプラットフォームとして尽力しました。La Frontera, Dogo や Los Mercenarios, Diego Amador, Tabletom, el combo Carles Benavent-Jorge Pardo-Tino di Geraldo や Vainica Doble らは こんにちまでにスペインポップの歴史で最も優雅で独特な存在となりました。これらは全て情熱的な Pacheco のインパルスを受け、またフラメンコとロックの距離を縮めました。

同時に Pacheco は自身のレーベルの枠を広げ、インターナショナルジャズなど他のミュージックジャンルのアーティストが活動できる場を創出しました。

彼の存在そのものは最期まで公衆に多くをさらすことはありませんでしたが、彼がつくり上げたレーベルから世に出た作品をみれば、その力、趣向など多くが見て取れます。その功績は後の音楽傾向を決定づけただけでなく、フラメンコとポップの限界を取り払ったという点からもはかり知れません。

 
Fuente:diariodesevilla.es